《計画換気》

計画換気の必要性

その①:人の呼吸により発生する炭酸ガス濃度
建物内等の閉じられた空間に於ける炭酸ガス濃度は、人の呼吸により発生する炭酸ガスがプラスされるため外気より高くなります。
人が快適・健康に暮らすための室内炭酸ガス濃度は、1000ppm以下であることが必要です。
室内における炭酸ガス濃度を1000ppm以下に保つためには、1時間に人間一人当たり、30㎥の新鮮空気と汚染空気を入れ換えること(換気)が必要です。
4人家族の場合は、1時間当たり120㎥(4人×30㎥)の換気が必要となります。

その②:建材・家具から発生する揮発性有害化学物質濃度
建物に使用される建材及び暮らしで使われている家具等から発生する揮発性有害化学物質(ホルムアルデヒド等)は、ゼロではありません。
換気の悪い室内では、有害化学物質の濃度が高くなってしまい、一定基準以下の濃度にしないと人の健康に悪影響が生じてしまいます。
揮発性有害化学物質の発生が少ない建材・家具を選択し、必要十分な換気を行うことにより、室内空気環境を良好に保つことが出来ます。

その③:現代の家に於ける機械換気設備の必要性
サッシ・合板・クロスを使用していない昔の家は、隙間がたくさんあったので、空気環境的には閉じられた空間となっていなかったため、機械的な換気を考えなくとも自然換気で十分でした。
サッシ・合板・クロスを使用している現代の家は、無風・温度差なしの状態では、室内の空気が必要なだけ十分入れかわることがありませんので、機械による計画換気設備をつけなければ必要十分な換気がされず、炭酸ガス濃度が1000ppm以上、揮発性有害化学物質濃度が一定基準以上になってしまい、そこに住む人の健康に悪影響を与えてしまいます。

計画換気と気密の関係

建物全体に、多くもなく・少なくもなく、一定量の新鮮空気を澱みなく行き渡らせ、汚れた空気と入れ換えることが計画換気の目的です。
隙間があると、温度差や風圧で換気量は変化し、空気の流れる経路もコントロールできず、空気の行き渡らない澱みスペースも発生するため、計画換気の目的は達成されません。
隙間の程度を表すC値(相当隙間面積)が0.7c㎡/㎡以下であることが必要です。

気密についての詳細は《気密》を参照ください。

計画換気の種類(給気・排気のどれを機械で行うかがポイント…)

《第一種換気》
給気も排気も機械で行う換気の方法です。
住宅用としては、熱交換(省エネ)を目的に採用するところがありますが、設備機器本体の価格も高く、期待されるほどの熱の戻り(省エネ効果)もなく、最大の欠点は、長期使用で汚れたダクトを通して給気がされるため(ダクトの掃除は不可能)、キレイな空気と言えなくなってしまうことです。

《第二種換気》
給気を機械、排気は自然
で行う換気の方法です。
給気口に高性能フィルターを設置し、医療用手術室等の無菌に近い状況の室をつくりたい時の換気に採用されます。

《第三種換気》
給気は自然
で、排気は機械で行う換気の方法です。
設備機器本体の価格及び運転費(約700円/月)共に安く、給気にダクトも使わず給気口のフィルター掃除も簡単で、住宅用の換気として最も適していると思います。
但し、隙間だらけの家では機能せず、C値=0.7c㎡/㎡以下でないと計画通りの空気の流れる経路と量をコントロールする計画換気は出来ません。
C値は、必ず気密測定をして確認することが必要です。

改正建築基準法の実態(冗談のような本当の話)

その①
室内の空気をキレイな状態に保つためには、計画換気の設備は24時間絶え間なく稼動していなければならず、OFFのスイッチは不要です
ところが、改正建築基準法では『スイッチを切らないでください』と云うステッカーを貼ることを条件に、ON・OFFのスイッチを付けても良いことになっています。

その②
相当隙間面積:C値(建物の隙間の程度を表す数値)が一定基準値以下になっていなければ、空気の流れる経路と量をコントロールする計画的な換気は不可能です。
しかし、改正建築基準法には、C値を測定する気密測定の義務はなく、数値基準も定められていません。

その③
改正建築基準法の施行にともない、24時間計画換気設備の設置が義務となって、平成15年7月以降の全ての家に換気設備がつけられていますが、浴室・トイレ・洗面所・居室に単独で換気扇をつけて換気をする、局所換気の方法でも許可されています。
しかし、換気扇を複数個設置するこの局所換気の方法では、空気の流れる経路と量をコントロールすることは、理論的・実質的に複雑すぎて不可能です。

平成15年7月に施行の改正建築基準法で義務化となった、形だけの換気設備をつけることは、冬に寒いだけの冗談としか思えない無意味なものです。
ほとんどの家で、冬は寒いので、この換気設備のスイッチを切っているのが実態です。

キッチンの換気扇

キッチンの調理器具がガスコンロの場合は、燃焼に酸素が必要であると共に燃焼による排ガスを排出するために換気扇の設置が必要です。
調理器具が電気調理器(IH)の場合も、水蒸気の排出のために換気扇の設置が必要です。

換気扇の設置・稼動により、建物全体の空気の流れる経路と量に変化・影響を与えないために、給気と排気を同時に同量行い、スイッチOFFの時には給気口及び排気口を閉じる、気密シャッター付き同時給排型換気扇を設置しなければなりません。

ガス調理器よりも電気調理器(IH)のほうが安全性・耐用年数で優れ、掃除は簡単・室内空気も排ガスがないので汚れず、燃費も都市ガスとほぼ同じなので良いと思います。

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